2012年2月、Tumblrは「自虐的な内容を投稿するブログ」、特に「過食や拒食、自傷、自殺などを賞賛、広めようとするようなブログ」を配信したくないと考えていると発表し意見を公募、その後ポリシーを変更しました。
タンブラの新しいポリシーは、拒食症、過食症、リストカット、そして、その他の自分を傷つける行為を薦めるブログサイトを追放する。タンブラの公式ブログでは、新しいポリシーは“一線を超えて積極的に推奨する、もしくは称えるブログのみを対象”とする点を明確に記している。要するに、断食を冗談にすることは出来るものの、食べずに済む方法について話し始めた時点でアウトになる。
(Tumblr、自傷行為を薦めるブログを削除すると発表 | ブログヘラルド)
関連する話題の中で、これらのコンテンツはSelf-harm、Anorexia、Thinspiration、Thinspoなどのカテゴリで呼ばれているようです。ThinspiraionとThinspoが耳慣れない言葉ですが、「Eating Disorder Awareness: What You Need to Know About Thinspo - Shape Magazine」という記事で「heavy on the thin, light on the inspiration」と紹介されており、過度のダイエット志向を促すものを指すようです。これらのコンテンツは、Pinterestに活動の場を移しましたが、Tumblrに続いてPinterestもこれらのブログを拒否しました。
“PinterestのTumblr化(Tumblrization of Pinterest)”が完了したようだ。”thinspo”ブロガー達はこのサイトにキャンプを設置した。Tumblrが自傷系ブログの停止をアナウンスした時に予想した通りになった。
(Pinterest Has an Anorexia Problem Now - Technology - The Atlantic Wire より意訳)
ポストTumblrの一番手、Pinterestは「Thinspo」と呼ばれる自傷や自虐を明らかに勧めるようなコンテンツをすべて排除した。”Thinspo”(”thinspiration”の省略)コンテンツは、閲覧者を極端で不健康な減量に駆り立てる写真やモットー、短いメモを含んでいます。目標体重と、Kate MossやKarlie Kloss、その他のスレンダーな人物を偶像化するような写真に励ましの言葉を添えたthinspoコンテンツはオンライ上で蔓延しています。
(Pinterest ‘Thinspiration’ Content Banned According To New Acceptable Use Policy より意訳)
こうした動きに続いて、スマートフォン利用者に人気の高い写真共有サービスのInstagramもThinspoコンテンツの禁止を発表しました。
人気の高いオンライン写真共有サービスを提供し、最近Facebookによって10億ドルで買収されたInstagramが、摂食障害、自傷、自殺などの「自傷」行為を容認するイメージおよびアカウントを禁止している。
(Instagram、自傷行為に関する投稿を禁止—TumblrやPinterestに続き - CNET Japan)
Tumblrは関連コンテンツの削除とともに「関連したキーワード(検索者)に対しての公共情報サービスの表示」を計画しているとのことでした。CNETの記事によれば、Instagramチームも次のように記しているとのことです。
このガイドラインは、建設的な議論を行うために作成されたアカウントや、治療またはオープンな議論を目的として自傷に関する個人的な経験を記録するアカウントに対しては適用されないことに触れておきたい。われわれは、苦しんでいる人々が自分自身や大切な人々のために援助を求めることを後押しする一方、認識を高め、治療を援助するために、サポートという形でのコミュニケーションも重要であることを理解している。
記事では、他に米国摂食障害協会の取り組みや、米国自殺予防ライフラインとFacebookの協働に触れています。3.11ではTwitterが「社会のインフラの一つ」となっていることが印象付けられましたが、こうした大きな影響力を持つプラットフォームが、徐々に公器としてのレスポンシビリティを求められ、あるいは考え始めているのかもしれません。
「熊坂賢次研究室」は慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス 熊坂賢次研究室の公式Tumblr。ポイントだと思ったことは、設置者のyuca_yさんご自身がブログエントリ「研究室のプロジェクト紹介ページ - 皇帝ペンギン飼育係りも」に書いていたので、引用します。
よく「研究室の紹介ページはありませんか」みたいなことを訊かれ[…]やっぱり過去の蓄積はものすごいパワーになるという経験から、研究室のプロジェクト紹介ページを作った。
作る際に気をつけた点は2つ。1つめは、私が研究室のTAではなくなってからも続けやすい形にするということ。tumblrなら、他の誰でも追加・修正できるのが良かった。2つめは、年次と手法の両方でプロジェクト一覧を眺められるようにしたいということ。tumblrのcustomize themeのDescriptionにaタグ入れられるの気づいて嬉しかった。そこにタグでソートしたURLをそのまま入れちゃった。
私なりの言い方をすると、1つ目のポイントは、活動の継続性という点で、Tumblrが便利なこと。コンテンツの追加、更新と、外観や機能の設定がダッシュボードレベルで可能なので、比較的誰でも「運営」に参加できます。インターネットサービスとして提供され、サーバーの面倒やアクセス増の対応といった「運用」は気にせずに済みます。そして運営者は複数設定でき、グループで運営できます。Tumblrである必要はありませんが、内部で人依存せずに続けられる「IT活動の継続可能性(サステナビリティ)」は、特に非営利団体では考えておくべき大切なポイントだと思います。
2つ目のポイントは、Tumblrの弱いカレンダー的なナビゲーションをタグの活用で補っていること。研究分野でもタグをうっていて、上手な使い方だと思います。個人的には、さらに研究者名でのタグでも見たい(このうちyuca_yさんの研究は、とか)と思ったのだけど、それは外野からの感想なのでおいておきましょう。
「Beyoncé | I Am」はシンガーソングライターBeyoncéの公式Tumblr。
英語圏ではアーティストの公式Tumblrが次々に報じられていますが、久しぶりにTOWER RECORDS ONLINE、MTV JAPAN、MSNエンタメ、AOL Onlineなど国内でも各所で取り上げられました。実際にはTumblr開設は4月5日のbeyonce.comの刷新の一部。
〈beyonce.com〉は6つのセクションに分かれており、最新情報が更新される〈THE LATEST〉では、ビヨンセの手書きによるメッセージも掲載。先輩ミュージシャンのシャーデーやアーティストのジャン・ミシェル・バスキアといった人物についての文章などがアップされており、彼女のブログ的な役割も果たしているようだ。そのほかにも、彼女のソロ・アルバムの全曲を試聴することができる〈MUSIC〉、アルバムのアートワークやPV用の撮影時の写真などを集めた〈VAULT〉、〈BEY(=ビヨンセのファン)〉向けの謎めいたコンテンツ〈BEYHIVE〉、ライヴ・スケジュールを確認できる〈PERFORMANCE〉、彼女のプライヴェート写真を多数掲載した公式Tumblrである〈I AM〉が用意されており、充実の内容となっている。
(ビヨンセがついに公式Twitter開設! 半日で370万フォロワーを記録 - TOWER RECORDS ONLINE)
ですが、「ビヨンセと彼女の家族が収まった写真や映像などプライベートなコンテンツ」(MSNエンタメ)、「セルアウトする必要など無い程のセレブなのは誰もが知る所だが、いつものスーパースターとしての彼女とは表情の違う、意外な程の素顔」(AOL Online)にフォーカスしていることで、Tumblrが特に話題になっているようです。
リキッドなグリッドレイアウトで多数の写真を掲載、サイドバーにはbeyonce.comと同じアコーディオンメニューが配され、ページ末尾で行くとスムーズに続きが読み込まれ配置されていきます。全体にブランディングとしてはbeyonce.comとよく一体化させながら、インフォーマルなフォトサイトとして独立性も持たせ、スタイリッシュに仕上げられていると思います。
TwitterにはOKと言ったけどそれ以外は相変わらず視界にも入れてくれない上司への教え方、といったハウツー記事「How to Teach Your Boss About the Social World Outside of Facebook & Twitter」がSearch Engine Journalに出ていました。次のソーシャルメディアの教え方がガイドされています。解説文は、私がすごくざっくりとかいつまんで訳したもの。
Tumblrがリブログやキュレーションの場所としてだけじゃなく、SEOやインプレッションの定義を変えたパブリッシングプラットフォームであるという点は非常に同感。他のソーシャルメディアを含めて、簡潔な解説と「実利的な意味」というよい視点を提供していると思います。
「The Lively Morgue」はNew York Timesによる公式Tumblr。
Morgue(参考資料館、死体置き場)から掘り出されたコンテンツが掲載されるこのサイトでは、第二次世界大戦開戦直後の1939年に写されたサモトラケのニケ、再区画の始まった1960年のマイアミビーチなど、往時を伺わせる他にない写真を楽しむことができます。ブログヘラルドには、次のような談話が載っています。
「ニューヨークタイムズには活字しかないと言う主張を覆したいと思います。」ニューヨークタイムズは、イラスト付きの日曜版の雑誌の販売を116年前に始めているのです。さらに、20世紀の前半の段階で、自社の写真エージェンシー、ワイド・ワールド・フォトズを抱えていました。
(New York Times、過去の歴史的な写真をTumblrで紹介 | ブログヘラルド)
気に入った写真があれば、PThe New York Times Storeでプリントを購入できるようです。New York TimesというとAmazon EC2をフル活用して実現したTimes Machineの記憶がありますが、ここでもトレンドを活用したコンテンツの電子化とそこからの収益化に意欲的に、サービスとコマーシャルのバランスよく取り組んでいる印象です。
「Missing e - The original browser extension for Tumblr!」はChrome、Firefox、Safariに対応したブラウザ拡張(エクステンション)。
Google Chromeでリブログとダッシュボード中心にTumblrを楽しむためのTipsとしてChrome+AutoPatchwork+Taberareloo+Chrome Keyconfigというコンビネーションがありますが、私には微妙にTumblr側の変化に伴ってうまく動かなくなったり(そこでメンテナンスが必要になったり)して、使い続けられませんでした。こちらは拡張機能ひとつで、それをアップデートしていけばいいので、使い続けられそうに思っています。
これからTumblrをはじめよう、特にダッシュボードが楽しそうだ(リブロガーないしダッシュボード耽溺派になろう)という人には、上記のChrome拡張Tipsの代替として、そちらに挫けた時に試してもらえるとよいかと思います。
Tumblrをテーマにした日本語書籍「tumblrハンドブック」が出版されています。
[著者] 田中 信太朗 (著)
[発行] 秀和システム (2012/03)
[定価] 960円
[目次]
1 Tumblrとはなにか
2 Tumblrはじめの一歩
3 投稿が10倍楽しくなる10の工夫
4 Tumblistaを名乗るなら知っておきたい10の機能
5 とっておきのTumblr活用事例
技術書をポケットサイズにしたという感じのハンドブック。第1章ではTumblrの機能や用途、第2章ではアカウントの作成から投稿、フォローリブログ、ライクなどの基本機能、第3章ではダッシュボードのエンドレススクロール設定やTumblooなどのブラウザ拡張、Tumblegearなどのスマートフォンソフト、第4章では独自ドメインやキュー、テーマといったTumblr | Whyページにある機能など+α、第5章ではブログとしてのTumblr、フォトログとしてのTumblrを取り上げています。
メインは機能の設定や利用方法、ツールの導入方法を1機能1トピック、1ツール1トピックにまとめた基本テクニック&活用テクニック集といった印象で、目次からやりたいことを見つけていきなりその項目を試していくような、リファレンス的な使い方に便利そうです。またTumblr利用者の「知っておきたい40のトピック」的な読み方もよさそうです。
Tumblrをテーマにした日本語書籍「週刊アスキーBOOKS Vol.13 tumblrの使い方 次世代SNSでネットの話題を丸々ゲット!」が出版されています。
[著者] 週刊アスキー編集部(編集)
[発行] アスキー・メディアワークス (2012/2/9)
[定価] 980円
[目次]
第1章 ツイッターやフェイスブックと違う?
第2章 お気に入りページのフォローから始めよう
第3章 日記や写真をダッシュボードから投稿
第4章 ブログのデザインを徹底カスタマイズ
第5章 ツイッターやフェイスブックと連携!
第6章 タンブラーでやってイイこと・悪いこと
付録 ぜひフォローしたい編集部オススメブログ
週刊アスキーBOOKSというムック本シリーズの一冊として刊行。第1章でTumblrの紹介をした後、順に読み進みながら5章までで、ダッシュボードの楽しみ方と投稿の楽しみ方、そしてテーマの設定やGoogle Analyticsによるアクセス解析までが一通り体験できる流れになっています。第6章はTumblrにおける著作権問題をとりあげていて、もちろん「いい」「悪い」を断言するものではありませんが、基本的な考え方としてためになるコラム、Tipsになっています。
全体がリードの文章と写真(スクリーンショット)を多用した解説で2ページ程度という雑誌記事の体裁で書かれていて、とても読みやすく書かれています。Amazonで「なか見!検索」が提供されているので、8~13ページを眺めると雰囲気が分かるでしょう。Tumblrをこれから始める人はステップ・バイ・ステップのガイドとして利用でき、すでに利用している人はおさらいを兼ねて読み物感覚で読めると思います。
先日の200億ポストに続いて、Tumblrでホストされているブログ数が5,000万に達しました。スクリーンショットは日本時間で2012年3月31日17時ごろのもの。こちらも、3,000万ブログからほぼちょうど半年です。
Now over 50 million blogs exists on Tumblr. Its counter on “about Tumblr” indicated 50,000,008 on 2012/03/31 17:00 (JST).
Tumblrが200億ポストを達成しました。スクリーンショットは日本時間で2012年3月27日22時半頃に取得したもの。100億ポストを達成してから約半年です。そして5,000万ブログももうすぐですね。
Tumblr tapped 20 billion posts. Screenshot at 2012-03-27 22:30 (JST). And close to 50 million blogs.
(追記)国内でもjapan.internet.comがとりあげていました。