7月にTumblr Meetup Osaki、そして8月にTumblr Meetup TokyoとこれまででたことのなかったTumblr関連イベントに立て続けに行ってみた。どちらでも話題になったのは「一体Tumblrの収益源はどうなってるんだ?」「あのサービスに持続性はあるのか?」という話だった。Tumblr自身は収益構造についてはっきり言っていないと思うので、スタートアップの動きを丹念に追いかけるTechCrunchの、日本語版のTumblr関連の記事を読み直してみた。

■製品化期(2007年3月~)

2007年3月にローンチしたTumblrは当初有料アカウントを設けるつもりだった。しかし、この計画は実行に移されていない。同10月には、最初の投資75万ドルをSpark CapitalとUnion Square Ventures(Andrew Parkerが所属している)から調達している。

2008年12月にはシリーズBラウンドで450万ドルをこの二社から調達。この時点のTumblrは「広告はゼロ。従ってドル収入もゼロ」で、創始者のDavid Karpはこの調達により「最低2年半分の助走用の滑走路がスタートアップに確保できた」と話している。

■収益化期(2010年3月~)

2010年4月にさらに500万ドルを調達しており、CrunchBaseではこれをシリーズC、市場にリーチし、売り上げをあげるための投資ラウンドと位置づけている。実際、同時に「有料サービス第二弾として有料テーマを発表」している。

第一弾がなんだったか思い出せない?2010年3月に発表されたTumblrディレクトリに「Featured」ブログとして掲載される$9~の有料サービスだ。現在はディレクト機能は人気(explore)置き換えられ、Featuredに変わるものとしては注目(Spotlight)がある。アナウンスを見る限り、もうこの機能には有料サービスは絡んでなさそうだ。

なおこれらの発表に関連して、The Wall Street Journal系のAll Things Dが次のように記している。

This is a switch from the company’s earlier plan to bundle lots of must-have features into a “Tumblr Plus” subscription service aimed at its most passionate users.
(via Tumblr Raises $5 Million From Spark and Union Square - AllThingsD)

いわく「これは、熱狂的なユーザー向けのたくさんの必須機能のバンドル、『Tumblr Plus』有償サービスというこの会社の初期のプランからの路線変更だ」。2007年5月に提供を予定していた有償サービスは、結局提供されることはなくなったようだ。

■現在(2010年12月~)

2010年11月、さらにシリーズD(=追加)ラウンドとして3,000万ドルを調達している。Spark CapitalとUnion Square Venturesはさらに500万ドルずつ投資し、それぞれ累計約1,000万ドル。そしてこのラウンドでSequoia Capitalが参加し、約2,000万ドルを出資している。社長のMaloneyは、このキャッシュについてのプランが知りたければ「Getting ready for 2011」を見るように言ったということだから、使途は技術チームの拡大とセカンドデータセンターの開設だ。

実際の売上額は分からないけれど、$9~$49の有料テーマの売り上げが、計4,000万ドルを超える投資額に見合うだけになっているという気はしない。あるいは「Tumblrについて」ページによれば現在40名あまりのスタッフと、2つのデータセンタ(すごいことになりそうな通信回線も)のランニングコストにもならないかも知れない。20$(発表時は15$だった)のオリジナルTシャツもあるね。でもあれはTumblr社の取り分はあるのかな?

■まとめ

シリーズCラウンドのあった2010年4月以降を収益化期と言ってみたが、現時点でTumblrはおそらくまだ黒字化していない。僕の結論としては、「Getting ready for 2011」で自身が言っているように、VCの出資を人員とインフラのコストにあてており、根拠はないがきっと拡張コストだけじゃなくランニングコストもそれでまかなっているんじゃないかと思える。

将来については、Tumblr自身はどう考えているのだろう?買収という形でのExitだろうか。それとも同じく初期は収益化方法が見えなかったTwitterのように、意外にも自力で収益を上げるのだろうか。どちらを目指すにしても、最初の二年間を500万ドルの出資調達で、次の一年弱をやはり500万ドルの出資調達で乗り越えてきたTumblrは、追加調達した3000万ドルでインフラやチームの拡張に加えて1、2年はサービスを継続してくれるんじゃないかと思う。

■参考

前述したとおり、ほぼ全てTechCrunch日本語版のTumblr関連記事を情報源にしている。該当記事を(財源に関連しないものも含め)リストアップしておく。

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