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Yahoo!がTumblrの買収について、正式契約に至った(they have reached a definitive agreement for Yahoo! to acquire Tumblr)とのプレスリリースを出しました。

またこの件について、Yahoo!の公式ブログには「Exclamation: Tumblr. + Yahoo! = !!」、Tumblrの公式ブログには「Tumblr Staff - News!」(和訳)が投稿されています。Tumblr公式ブログの投稿の一節を、Engadgetの「米Yahooが Tumblr買収を正式発表、『ダメにしないことを約束』。カープCEO続投で独立運営」から引きます。

まず心配を払拭させてほしい:われわれはムラサキにはならない。各ヘッドクオーターは移転しない。チームも変わらない。開発ロードマップは変わらない。そして、『クリエーターの力になり、最高の作品を作りふさわしい相手に届けられるよう手助けする』という使命は決して変わらない

メリッサ・メイヤーも、投稿を買収の合意の報に続けて「We promise not to screw it up.」、ダメにしないことを約束するという一文から始めています。またEngadgetの「米Yahooが Flickr を全面リニューアル、無料で1TBまでアップロード可能に」という記事で、メディアイベントでのQ&Aの内容を窺うことができます。

  • YahooとTumblrは相補的な関係。Yahooはコンテンツが欲しかった、Tumblrは大企業のリソースやツールが必要だった。当初は買収ではなく、提携のつもりで話を進めていた。
  • Tumblrのユーザー層は若く、Yahooのユーザー層はもっと年齢が高め。Tumblrがリーチしている層はこれまでYahooブランドが弱かった部分。
  • ほかの成功した買収から学んで、Tumblr は独立運営させることにした。勢いのある企業にはそれが重要。
  • (Yahoo!はTumblrに対して)投資と、人材を雇えることに加えて、コンテンツ発見ツールを提供できる。YahooにはAI、パーソナライゼーション、検索の経験がある。

ちょっと茶化して言えば「5月20日、Tumblr買収を発表。あなたはTumblr買収が“Flickr”のようにはならないワケを知るでしょう」というところでしょうか。それでも、「相補的」という以上はYahoo!との統合はあるのだろうし、マネタイズ面からの変化もあるのではないかという気がしてしまいます。

最後に、関連記事からいくつかリンクしておきます。

WirelessWire Newsが「米ヤフー、Tumblr買収を20日にも発表か - 買収額は最大11億ドルに」という記事を掲載し、The VergeAllThingsDなどの記事から、Yahoo!が「20日にニューヨークで製品関連の発表会を開く」としてプレスに招待状を送っているが、ここでTumblrの買収が発表されるのかもしれないとまとめています。

マリッサ・マイヤー氏が昨年CEOに就任して以来、「ヤフーが成長分野への進出をねらって大型の企業買収を行うのではないか」とする観測が流れ続けてきている。同社には昨年秋に売却したアリババ(Alibaba)株式の代金の一部として10億ドルを超える資金が手元に残っていることなどもそうした観測の裏付けとなっている。[…]ソーシャルメディア関連の分野では、2012年春にフェイスブックによるインスタグラム買収(当初の買収予定額は約10億ドル)が発表されていたが、ヤフーのタンブラー買収が実現すれば、それ以来の大型買収となる。

またCNETは「Tumblr買収合戦、Facebookとマイクロソフトも参戦か」として、Forbesの続報を紹介しています。

TumblrはFacebookとMicrosoftからも同じように真剣なオファーを受けていると、Forbesが17日に報じた。ただし、Forbesによれば、Yahooは交渉に優先権を持っており、TumblrはYahooとの交渉が不発に終わらない限り、Yahooの競合企業からのオファーについて交渉を進めることはできないという。

昨年、広告収益があがりはじめて、今年4月にはモバイルアプリケーションで広告配信を開始(CNET)したTumblrで、長く目指してきた独自路線での独自収益化をいよいよ確立するところなのかと思っていたところへの買収の噂でした。どう展開するのでしょうか。

Mashableに「Tumblr Reportedly Made $13 Million in Revenue in 2012」という記事が掲載されていました。

  • Forbesの記事によれば、Tumblrは2012年に$13Mの収益を上げた。
  • QuantcastのトラフィックTop10としては多いと思われないかもしれないが、同社の2011年の収益は0だった。
  • 収益策として、2月にHighlighted Postsをリリースし、その後もPinned Posts、Radar、プレミアムアナリティクスツール(月額$500)をリリースした。

#revenueで話題にしてきたように、2011年までは大型資金調達が続くものの収益をあげていなかったTumblrですが、2012年はついに収益化に本腰を入れ、成功しているようです。MashableがソースとしているForbesの記事は、次のように締められていました。

The company finished 2012 with $13 million in revenue; the hope in this “leap” year is that it’ll get to $100 million.

Tumblrは2012年を$13Mの収益で終え、“飛躍”の年である今年は$100Mを手にすることを期待しているとのこと。Crunchbaseで見る限り、これまでの資金調達額は$125Mで止まっているようで、それに比する額を稼ぎ出したいという意気込みのようです。

(2012.01.06追記) 記事タイトルの金額が「1,300億円」と誤っておりましたが、「1,300万ドル」です。申し訳ありません。誤記について、compozz様からご指摘いただきました。ありがとうございました。

TumblrがHuge Nerdを自認するAndrew McLaughlinをExecutive Vice Presidentに迎えたとのこと。2009年にGoogleの公共政策責任者としてオバマ政権の副CTOに就任した人です。彼のTumblr参加に関して、The Wall Street Journal系のAll Things Dが次のように記しています。

He told AllThingD he will focus on the blogging social network’s growth, internationalization, community and monetization.
(via Longtime Google Policy Guy Andrew McLaughlin Headed to Tumblr - AllThingsD)

彼自身がAll Things Dに語ったところによれば、McLaughlinはブログソーシャルネットワークの成長、国際化、コミュニティとマネタイズにフォーカスするとのことです。

つい連想させられてしまうのは、3ヶ月前にFacebookが政界でのキャリアの長いボウルズを取締役会に迎え、彼が「Facebookの政治的活動をリードしてくれるだろう」と報じられたことです。USA.gov Blogの連邦一般調達局Obama for Americaのオバマ陣営などを利用者に持つTumblrにとってどんな思惑があるのだろう、もっと平たく言えば、ようやく何かしらのマネタイズのアクションに本腰を入れるのだろうか、と気になります。

最後に本題に関連しないリンク。「Mercury News interview: Andrew McLaughlin, VP at Tumblr, former Googler」というインタビュー記事も見つけましたが、TumblrのVPと記事名にありながら内容はGoogleについての話に終始して、ちょっと肩透かしでした。ちなみに彼は以前から写真ブログとしてもう一つのTumblrサイトを運営しています。それから、Tumblrの収益化(というよりも資金調達)の歴史については、私の気づいた範囲でrevenueタグにまとめています。

8,000億ドル8,500万ドルを追加調達し、3000万ブログに届こうとしている(一日後には届いた)というTumblrからのアナウンスを報じた「Tumblr Valued at $800 Million - WSJ.com」に、次のようなくだりがありました。

Tumblr executives and investors say the new infusion will help the company to continue to grow, and get more serious about developing new ways to make money from advertising. “We have an opportunity to bring on hundreds of millions more subscribers,” said Tumblr President John Maloney in an interview. “The goal is to scale the network to profitability.”

Tumblr.comを代表するDavid karpに比べると、Tumblr, Inc.を代表するといえそうなJohn Maloney社長へのインタビューは珍しい気がします。彼はここで「(われわれには)数億の購読者がいる。このネットワークを収益源に結びつくように拡大するのがゴールだ」と話しています。

Tumblr’s investors said they believe the company’s active and growing user base gives it tremendous potential to make money. Like Facebook and Twitter, Tumblr is trying to develop new forms of advertising that work organically within its service rather than running traditional banner ads.

そしてTumblrは既存の古典的なバナー広告ではなく、このサービス内で有機的にはたらく新しい形の広告の開発に取り組むとのことです。以前に「買収という形でのExitだろうか。それとも同じく初期は収益化方法が見えなかったTwitterのように、意外にも自力で収益を上げるのだろうか」と書きましたが、後者の道を模索するようです。

(追記)冒頭、追加調達資金額を修正しました。

Tumblrが8月末に報じられていた8,500万ドルの追加資金調達に成功したようです。これまでに4,000万ドル強を調達していたTumblrの累積調達資金額は、今回の調達で12,500万ドルに達します。

Blogging community operator Tumblr has raised $85 million in new funding from Greylock Partners, Insight Venture Partners, the Chernin Group, Spark Capital, Union Square Ventures and Sequoia Capital. Richard Branson also participated in the round.

The news was broken moments ago by the NYT’s Jenna Wortham, who writes that the company will announce the financing later today.

The round brings Tumblr’s total of capital raised to over $125 million. The valuation of the company in its latest financing round was not disclosed.

Business Insider pegged the valuation at ‘$800 million+’ last August.

また記事によれば、Tumblrは今年だけで月間ページビューを20億から130億に伸ばし、この間にモバイルからのページビューは17倍に増加。現在、3,000万ブログ(※正確にはもうちょっとで)に4,000万投稿/日があり、2週間前に累計10億ポストを越えたとのことです。

(追記)国内でも関連記事が出ました。

ブログサービスのTumblrは、近くベンチャーキャピタル(VC)から7500万~1億ドルを調達する。同社の市場価値は8億ドルと見積もられている。Wall Street Journalが関係者の話として伝えた。報道によると、参加するVCにはGreylock Partnersが含まれている。

psty:

実は、この件については直接Tumblrの社長から聞いている。

effective-tumblr:

7月にTumblr Meetup Osaki、そして8月にTumblr Meetup TokyoとこれまででたことのなかったTumblr関連イベントに立て続けに行ってみた。どちらでも話題になったのは「一体Tumblrの収益源はどうなってるんだ?」「あのサービスに持続性はあるのか?」という話だった。Tumblr自身は収益構造についてはっきり言っていないと思うので…

Tumblrの社長談、どんなだったんでしょうか。気になります…。

7月にTumblr Meetup Osaki、そして8月にTumblr Meetup TokyoとこれまででたことのなかったTumblr関連イベントに立て続けに行ってみた。どちらでも話題になったのは「一体Tumblrの収益源はどうなってるんだ?」「あのサービスに持続性はあるのか?」という話だった。Tumblr自身は収益構造についてはっきり言っていないと思うので、スタートアップの動きを丹念に追いかけるTechCrunchの、日本語版のTumblr関連の記事を読み直してみた。

■製品化期(2007年3月~)

2007年3月にローンチしたTumblrは当初有料アカウントを設けるつもりだった。しかし、この計画は実行に移されていない。同10月には、最初の投資75万ドルをSpark CapitalとUnion Square Ventures(Andrew Parkerが所属している)から調達している。

2008年12月にはシリーズBラウンドで450万ドルをこの二社から調達。この時点のTumblrは「広告はゼロ。従ってドル収入もゼロ」で、創始者のDavid Karpはこの調達により「最低2年半分の助走用の滑走路がスタートアップに確保できた」と話している。

■収益化期(2010年3月~)

2010年4月にさらに500万ドルを調達しており、CrunchBaseではこれをシリーズC、市場にリーチし、売り上げをあげるための投資ラウンドと位置づけている。実際、同時に「有料サービス第二弾として有料テーマを発表」している。

第一弾がなんだったか思い出せない?2010年3月に発表されたTumblrディレクトリに「Featured」ブログとして掲載される$9~の有料サービスだ。現在はディレクト機能は人気(explore)置き換えられ、Featuredに変わるものとしては注目(Spotlight)がある。アナウンスを見る限り、もうこの機能には有料サービスは絡んでなさそうだ。

なおこれらの発表に関連して、The Wall Street Journal系のAll Things Dが次のように記している。

This is a switch from the company’s earlier plan to bundle lots of must-have features into a “Tumblr Plus” subscription service aimed at its most passionate users.
(via Tumblr Raises $5 Million From Spark and Union Square - AllThingsD)

いわく「これは、熱狂的なユーザー向けのたくさんの必須機能のバンドル、『Tumblr Plus』有償サービスというこの会社の初期のプランからの路線変更だ」。2007年5月に提供を予定していた有償サービスは、結局提供されることはなくなったようだ。

■現在(2010年12月~)

2010年11月、さらにシリーズD(=追加)ラウンドとして3,000万ドルを調達している。Spark CapitalとUnion Square Venturesはさらに500万ドルずつ投資し、それぞれ累計約1,000万ドル。そしてこのラウンドでSequoia Capitalが参加し、約2,000万ドルを出資している。社長のMaloneyは、このキャッシュについてのプランが知りたければ「Getting ready for 2011」を見るように言ったということだから、使途は技術チームの拡大とセカンドデータセンターの開設だ。

実際の売上額は分からないけれど、$9~$49の有料テーマの売り上げが、計4,000万ドルを超える投資額に見合うだけになっているという気はしない。あるいは「Tumblrについて」ページによれば現在40名あまりのスタッフと、2つのデータセンタ(すごいことになりそうな通信回線も)のランニングコストにもならないかも知れない。20$(発表時は15$だった)のオリジナルTシャツもあるね。でもあれはTumblr社の取り分はあるのかな?

■まとめ

シリーズCラウンドのあった2010年4月以降を収益化期と言ってみたが、現時点でTumblrはおそらくまだ黒字化していない。僕の結論としては、「Getting ready for 2011」で自身が言っているように、VCの出資を人員とインフラのコストにあてており、根拠はないがきっと拡張コストだけじゃなくランニングコストもそれでまかなっているんじゃないかと思える。

将来については、Tumblr自身はどう考えているのだろう?買収という形でのExitだろうか。それとも同じく初期は収益化方法が見えなかったTwitterのように、意外にも自力で収益を上げるのだろうか。どちらを目指すにしても、最初の二年間を500万ドルの出資調達で、次の一年弱をやはり500万ドルの出資調達で乗り越えてきたTumblrは、追加調達した3000万ドルでインフラやチームの拡張に加えて1、2年はサービスを継続してくれるんじゃないかと思う。

■参考

前述したとおり、ほぼ全てTechCrunch日本語版のTumblr関連記事を情報源にしている。該当記事を(財源に関連しないものも含め)リストアップしておく。